外歩き用にATH-CK9を使用していたのだが、その間に室内用のヘッドホンはATH-AD2000やEdition 9といった高級機を導入し、外歩き用にもワンランク上のヘッドホンを購入することにした。
購入したのは今回レビューしている、ATH-CK100。ATH-CK9の音が気に入っていたこともあり、素直にグレードアップを図るという意味で購入。
カナル型は視聴が難しいので、視聴はしていません。
さて、購入して、最初の感想は、CK9の腰高の高音をうまい具合に落ち着かせてグレードアップした機種という印象。
音場などはCK9よりも広く響きも自然になっている。
勢いのある音を作り出すヘッドホンではなく1つ1つの音を一部を除いて丁寧に鳴らす機種(一部については後述)。
低音は心持弱めだが、量は十分出ている。中高音域は艶やかで、個人的には非常に魅力を感じる。
落ち着いたJazzや女声ヴォーカル物、とにかく生音を出す楽器が得意。
ピアノやアコースティックギターの音色が魅力的に聞こえる。
湯川潮音、安藤裕子、Norah Jonesなどをこれで聞いていると人ごみの喧騒を忘れて聞き惚れてしまう。
逆にある程度作られた音のロックやテクノもよく鳴らすが、ダイナミックさを求めるのはあまり向かない。
荒々しいロックでも、どこかきれいにいなして鳴らしてしまうので、つまらないと感じるかもしれない。
(個人的にはそれはそれで魅力的であるが)
また、CK9ではソースによっては高音が耳にささって痛かったが、CK100では無難にいなしてくれるようになっている。
高音部分では女声のサ行が痛くならないように意図的にチューニングされているようで、その帯域の音は不自然になっている。
個人的にはサ行が痛くないのは歓迎なので、このチューニングは歓迎なのだが、原音に近い音を求める人にはだめかもしれない。
見た目については、チタンハウジングということで安っぽくはない。
コードはCK9と一転してしなやかでくせもつきにくく取り回しは非常に良い。
個人的に困ったのは慣れるまでは左右の区別がつきにくかったこと。
慣れればどうということはないが、CK9のように形状で一発で判断できるようになっていないので、最初は苦労した。
遮音性はカナル型なので良い。ふつうに聞いている分には問題ない。
プラグはL字型になっており、僕のようにものぐさでプレイヤーにぐるぐる巻きつける人にとっては断線対策となってよくなったと感じる。
もちろん付属のポーチも改良され、CK9の付属のポーチよりも取り回しはよくなった。
まとめると、非常にまとまったバランスのとれた音。
生音主体の楽曲を中心に聞くならお勧めできる。
ロックについてはハードなものではなく、スカスカなシンプルな編成のものであれば結構よく聞こえる。勢い重視であればあまり向かない。
テクノやハウスにはあまり向かない。
サ行のいなし方については好みとしか言えないので、視聴して決めてもらうしかない。
好き好きは分かれると思うが、個人的には買って大満足。
強い個性をヘッドホンに求める人には向かないが、バランスの良さをもとめるならいい1本だと思う。
ただ、器用貧乏な感じがして、つまらなく聞こえるかもしれない。
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